『In my life』その1

今回から数回かけて"The Beatles"の"In my life"という曲を和訳しようと思います。

 

(この場を借りてこのブログの方針を示したいのですが、

・まず、厳密な直訳をつくる

・そして、ある程度日本語として滑らかにする

・時代背景だったり、作者の主義主張と言ったものは最後に考慮する

の三点です。

わたしの英語の恩師が常々言ってたように、

雰囲気で意訳したのはただの誤訳でしかない、百の文を訳しても正確でなければ百誤訳しているにすぎない

と思うからです。直訳が鬱陶しいと思うかもですが、何卒宜しくお願いします)

 

さて、英語の歌詞は、韻を踏む為に普通使わない語法を使ったりと、往々にしてわかりにくいもので、かなりハードルが高いです。が、この曲、個人的にはかなり好きな曲なので是が非でも訳していきます。(歌詞はLyricsでみてください)

 

There are places I'll remember/ここはもちろん関係詞の省略。

 

(関係詞の省略はよく「目的格だから」と解説されることが多いが、厳密には「関係詞の後に直接SVが来るとき」。

"the girl I met yesterday"は使われるが、"the girl yesterday I met"という使い方はされない。(どちらも目的格)

また、"the man who I think is rich"の"who"は連鎖関係代名詞の主格だが"the man I think is rich"とも書ける。

従って「関係詞の後、直接SVなら省略可」と覚えといたほうが良い。)

 

remember/覚えている、思い出す。今回は思い出すのほうがいいかも

all my life/副詞的に使われることが多い。今回は、今までの人生で、の意味

though/だけど、しかし

 

some/決して「いくつかの」の意味ではない。そもそもsomeの原義は部分(集合)なの

で、例え「一億」であったとしても「七十億のなかの一億」という文脈ならば、someが使われる。ので、「〜するものもある」とか「一部は〜」と訳すのがよい。

 

have changed/動作動詞の現在完了形。

 

some forever, not for better/ここが難関。まず省略されている動詞を考えないといけないが、今回はbe動詞だろう。次に「そもそも前置詞の後は名詞のはずなのに、なぜ形容詞を持って来るのか」と考える。するとこれとよく似た慣用表現が頭に浮かぶ。そう、「for good(永遠に)を、韻を踏む為に、for betterにしたのではないか」と仮説が立つ。ネイティブの間でも、ここはしばしば議論を呼ぶが、「単純に良い方には変わらないという意味だ説」よりも「韻を踏むためにあえて変形させた説」の方が文脈に合うように思える。

 

have gone/行ってしまった(行ってしまってここにはいないの意)

 

ここまでをまとめると、

There are places I'll remember                 
All my life, though some have changed
Some forever, not for better
Some have gone and some remain

この部分は、

「今までの人生の中で、変わってしまったところもあるけれど、

 これからもきっと思い出す場所がある。永遠に変わらない場

 所もあれば、そうでない場所もある。一部は無くなってしま

 ったし、残っている所もある。」

ぐらいになるのかなと。

 

今回はここまでで、次回はもう少しサクサクと訳していきます。